はぐれ医者の万病講座V

小田慶一





初版:1991年7月
造本:四六判ソフトカバー
本文:236ページ
本体:1456円
CODE:ISBN4-89426-409-9 C0095

 日本一小さな私の診療所にやってくる患者さんの多くは、大病院でさんざん検査や治療を続けたあげく、ちっとも良くならない、という人たちである。しかも、良くならないばかりでなく、それぞれの病院で、クスリ・注射・手術・検査などにより、また、誤った情報を与えられることにより、深刻な被害を受けている。
 ほんとうに医学が進歩し、多くの患者さんの役に立っているのなら、こんな馬鹿げた状態になるだろうか? むしろ、現在の医学、医療制度、医薬品などに根本的な欠陥があるのではないか? しかし医者が、それに気がつくのは、かえって難しいようだ。〔中略〕
 なにも医学の分野に限らないが、「ほんとうに役に立つ」知識とは、シンプルなものである。読者は、知ってみればあまりにあたりまえのことで、「なんだ、そんなことか」と、おそらく意外に思われるかもしれない。真実とは、単純かつ明快でなければならないという古代からの真言を添えておきたい。ニセ学問や、とってつけたような知識の横行に、少しでも一石を投じられればと願うばかりである。それによって、病気で苦しむ人、病気ではないかと怯える人を、少しでも減らすことができたとしたら、筆者にとって、これ以上の喜びはない。

(第T巻「まえがき」より)


もくじ
1 「きれいごと」社会と健康幻想
2 当世病院金銭ウラ事情
3 患者は医者を選べ
4 血圧なんか気にするな
5 体を冷やすな
──冷房・暖房の功罪
6 本当に「胃が悪い」のか
7 頭痛あれこれ
8 歯の病は万病のもと!
9 はり・灸の効用
10 「難病」はなぜ作られる?
11 病んでいるのは「心」なのか、「体」なのか
12 人は必ず「死ぬ」
──「あの世」と人生観を考える
13 読者の質問にお答えします

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